hirutasものづくりメモ

電子工作やプログラミングについて書いていきます

Maker Faire Kyoto 2019に初出展します!

この記事について

Maker Faire Kyoto 2019に出展した とんがりコーン自動指はめ器 の製作背景についてまとめました。

出展者情報: ユビキタス部 | Maker Faire Kyoto 2019 | Make: Japan

はじめに

小学生の頃から電子工作の経験はあったのですが、対外的に発表する機会はありませんでした。 京都で初のMaker Faireが開催されると知り、何かを出展してみようと思ったのがきっかけで、今回のプロジェクトが始まりました。 しかし、Maker Faireへの出展は初めてで、全く勝手が分かりませんでした。 まずは、過去のMaker Faireに関する記事や出展者のBlogを読み漁り、なんとなく雰囲気をつかむところから始めました。

やったこと

メンバー集め

妻と会社の同僚1名に声をかけ、3人ではじめました。

イデア出し

まずは秋葉原の街をぶらぶらと散策し、どのようなシーズがあるのかを探索しました。 秋月電子通商千石電商で電子部品を眺めながら、面白そうなセンサやパーツを見てアイデアを膨らませました。

また、過去の出展にも目を通し、面白そうなネタも参考にしていきました。 個人的には、 Atelier Beta | Maker Faire Tokyo 2018 | Make: Japan の柿ピー分離器がとても好きでした。

さらに、こちらの記事も大変参考になりました。 toboli.hatenablog.com

どんな作品を出すか悩んだら、とにかく【大きい・目立つ・分かりやすい】のどれかに当てはまるものがおすすめ

というアドバイスも踏まえ、アイデアをまとめていきました。

コンセプト決め

ここまでの議論より、作品のコンセプトを

日常の困りごとをターゲットにして、それを解決しそうで解決してないくだらない機械

に決めました。

参加者自身が体験できて、SNSに共有したくなるような展示にするのを目標としました。

ネタ決め

このコンセプトをもとに、さまざまなネタ案を考えました。 下記がその一部です。

  • 日常生活を便利にする系
    • ヒヤシンスの水耕栽培をどうにかするマシン
  • 工場みたいな機械
    • オレオを剥がしてくれるマシン
    • ミカンを剥いてくれるマシン
    • ぷちぷちをひたすら潰してくれるマシン
    • とんがりコーンを自動ではめてくれるマシン

この中でも、最もコンセプトにハマっていて面白いと思えたのが とんがりコーンを自動ではめてくれるマシン でした。 早速、この実現に向けてプロトタイプの作成をはじめました。

プロトタイプの作成

とんがりコーンを自動ではめてくれるマシン を実現するためには、下記のような機能に分解できると考えました。

  1. 指にコーンをはめる機構
  2. 5本の指を正しい位置に置くガイド
  3. コーンのサイズ認識
  4. コーンの振り分け
  5. 指のサイズ認識

この中でも、指にコーンをはめる機構が、今回のコンセプトを実現するためのメイン機能になりそうでした。 早速、家に転がっていた部品を集めてプロトタイプの製作を開始しました。

初期プロトタイプ

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初期プロトタイプ

初期のプロトタイプは、とんがりコーン1個を平行移動し、指に自動ではめることができるか検証しました。 前後にスライドするアームをモータとタイヤで駆動し、アームの先にセットしたとんがりコーンを指に近づける機構です。 モータの前後の切り替えは完全に手動で行います。

実験の結果、わりとイケそうということが分かったので、この方向性で進めることにしました。

プロトタイプの改良

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装置を小型化、スイッチの追加

その後、装置のサイズを小型化し、アームの前後位置をマイクロスイッチで検知できるような機構を作成しました。 このセンサにより、先端が指に触れたことを検知して、その後自動で初期位置まで戻れるように制御することを想定しました。

また、Raspberry Pi Zero と モータドライバIC(TA7291P) を用いて、モータを前後に制御できることを確認しました。

出展申請

ここまで制作した段階で、Maker Faire Kyotoの出展締め切りになってしまいました。

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モジュール設計図

諦めずに、とりあえず設計図をもって出展申請を行ったところ、なんと無事に出展OKの連絡をいただけました。

設計・実装

指にコーンをはめるモジュール1つ分で、モータとスイッチ×2の計6本の配線があります。 指5本分となると30本もの配線を扱うことになるので、それなりに回路を整理することが必要です。 Raspberry Piから5本分のモジュールを制御するための基板設計を行いました。

モータ制御基板

モータ制御用のICなどは、Raspberry Pi用ユニバーサル基板に実装することにしました。 各モジュールと基板はコネクタで接続することにして、取り回しを容易にしました。

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回路設計、基板設計

回路設計は、EAGLEの無料版を使用しました。 初めて使用しましたが、操作性がよく直感的に扱えて、すぐに慣れることができました。 無料版の場合は作成できる基板の大きさに制限がありますが、今回のユニバーサル基板はぎりぎり大丈夫でした。

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表面

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裏面

裏面は、可能な限りスズメッキ線で配線しましたが、交差する部分はニクロム線で空中配線を行いました。

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基板との接続

制御プログラム

Raspberry Pi上の制御プログラムはGo言語で実装しました。 Gobotというライブラリで簡単にGPIOを制御でき、便利でした。

gobot.io

コードは下記のリポジトリで公開しました。(プロトタイプのため雑ですが・・・)

GitHub - hirutas/makerfaire-kyoto-2019

完成

5本の指を正しい位置に置くガイドと土台を作成し、モジュールを固定しました。

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完成

モータに給電する電源は緊急OFFできるようにスイッチを追加し、スタートボタンと一緒にボックスに埋め込みました。

まとめ

Maker Faire Kyoto 2019に出展するネタづくりから、出展登録、実装までの流れをまとめました。 今後Maker Faireに出展してみたいと思っている方は、よかったら参考にしていただければと思います。

当日を迎えてみての感想や反省点は追って更新していきます!